ロータリー会員の皆さま
私たちはこれまで数カ月間、世界中のロータリークラブを訪問し、地域社会に目に見える変化をもたらしている感動的なプロジェクトを目の当たりにしてきました。その一方で、現在の政治的・経済的な不安定性と、それがロータリーの活動に及ぼすかもしれない影響について、多くの方々からの懸念の声を耳にしてきました。
不確実性の時代にあってもロータリーの使命と価値観は変わらないことを、ここに断言いたします。地域社会に深く根ざしているロータリーは、世界でよいことをするための力です。私たちは引き続き、人びとに奉仕し、高潔さを奨励し、世界理解、親善、平和を推進していきます。
奉仕、親睦、多様性という理念があるからこそ、ロータリーはあらゆる境界線を超越できます。私たちは、あらゆる背景をもつ人びとを結びつけ、協力を促し、地域社会をより強くします。
120年にわたり、ロータリーは2回の世界大戦、冷戦、そして数回の致命的なパンデミックを経験しながらも、発展しつづけてきました。ロータリーの使命と価値観を堅持しながら、耐え忍び、さらに強くなってきました。このような時こそ、ロータリーの強み、そしてロータリーを支えることの重要性を、改めて思い知らされます。
ロータリーは、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)の創設パートナーとして、1979年にフィリピンで子どもたちにワクチンを接種した最初のプロジェクト以来、ポリオ発症数を99.9パーセント削減してきました。何が起ころうとも、私たちはポリオを永遠になくすという世界の子どもたちへの約束を守ります。現在、ロータリーはグローバルパートナーと連携して、刻々と変わる状況を注意深く見守り、多くの国の政府と積極的に協力して財政支援を維持し、代替となる資金源を模索しています。ポリオプラスへの資金面でのサポートは今、かつてないほど重要となっています。
ロータリーは引き続き、ソリューションを生み出し、長期的な目標を達成するために、重点分野をサポートしていきます。私たちは、プログラム、補助金、人と人との交渉を通じて、紛争の根本的な原因に取り組み、平和へとつながる環境を作り出しています。また、パートナー団体と協力して、貧困、不平等、教育へのアクセス欠如に取り組む持続可能なプロジェクトを実施しています。最近イスタンブールで開催されたロータリーの平和会議は、その取り組みの証であり、世界中から1,000人以上のロータリー会員、平和構築者、専門家が集まりました。
現在、私たちの懸念や不確実性を行動へと転換し、希望のビジョンを人びとと分かちあうことがますます重要になっています。
心を込めて
国際ロータリー会長
ステファニー A. アーチック
ロータリー財団管理委員長
マーク・ダニエル・マローニー
事務総長
ジョン・ヒューコ